競馬場やウインズでは時々「ルメールの馬が飛んだぞ!」などという声を聞いたり聞かなかったりしますが、初心者の人には意味がわからないかも知れません。
競馬で飛ぶというのは人気馬が人気通り来なかった時に使われます。人気薄の馬が負けたからと言って飛んだとは言いません。
この「飛ぶ」という表現は、もともと「来るはずの者が来ない」場合に使われる言葉で、例えば金融屋の客が返済せずに逃げた時とか、アルバイトが無断で音信不通になるとか、そういう時にも使われますね。
先日のチャンピオンズカップでは1番人気のテイエムジンソクは2着でした。1番人気なら1着に来て欲しいところですが、2着。でもこの場合は飛ぶという表現はやや過剰かと思います。
単勝オッズ1倍台ぐらいの馬が3着にも入らなかったようなレースは確実に「飛んだ」と言えるでしょうね。
障害飛越のジャンプも「とぶ」事だけど、跳ねる跳ぶの方だね。強烈な瞬発力を持っていて「とんでいるようだ」ってのは翔ぶってところかな!
競馬場で配布されている出馬表や、競馬新聞などに芝1200mとか、ダート1800mとか距離とワンセットで芝またはダートと書かれていますが、これは何なのか?
芝は芝生コースの事で、ダートは砂地コースの事です。海外ではダートと言うと土コースが多いですね。
芝とダートの大きな違いは一体何でしょうか?
芝は固い土に芝が根を張る事で強固になり、競走馬の蹴りを路面が受け止め確実に推進力となるので、良い成績を残すにはスピードが求められます。
ダートの場合はふかふかの砂の上を走るので、競走馬の蹴りは砂のクッションに吸収されるため、クッションを苦にしないパワーが求められます。
このような違いがあるので芝のコースでは一気に差しが決まりやすく、ダートコースでは先行した馬の粘りこみが多く一気の差しが少なくなるわけですね。
詳細解説:ダート競馬必勝法
上述したように、芝とダートでは求められる能力が異なるので、芝でダメだった馬がダートで活躍したり、逆に芝ではそこそこ好走していた馬がダートに変わって全然ダメだったりします。
以下はちょっと踏み込んだ内容になるので、最近競馬を始めたばかりの初心者にとっては難しいかも知れませんが、読んでおいて頭の片隅に残っていれば、以後役に立つかも知れません。
普通は見送りが妥当で、芝で良い成績をあげている馬であっても、ダートではまったく通用しないケースはかなり多い。まず通用しないと考えた方が無難。
例外としては、2020年根岸ステークスのモズアスコットのように、いきなり初ダートで勝ってしまうこともある。
でも注意して欲しいのは、あくまでモズアスコットの場合はダート路線の馬がぶっちゃけイマイチなメンバーだったタイミングでもあるって事。
ダートグレードの関東オークス・アルビアーノの事例。
JRAのアルビアーノが単勝オッズ1倍台で1番人気になっていて。確かにこの馬は前走がNHKマイルCを2着という事で、少々他の馬とは格が違うなというのは誰にでもわかるかなり芝で実績を上げて来た馬だった。
過去10年間のデータを振り返ってみると、この関東オークスが初ダートで勝った馬と言うのは2010年のシンメイフジぐらいのもので、大抵は関東オークスまでの間にダートのレースを少なくとも1回は使ってる馬が勝っていた。
結果は4着やったね。やっぱり競馬予想のセオリー通り初ダートではそう簡単に勝てない。この年以降も今まで関東オークスを初ダート挑戦で勝った馬はいません。
古い例だと2009年・名古屋JBCスプリントで、芝ではスプリンターズSや高松宮記念で勝ち負け出来てたビービーガルダンが6着に大敗したからね。やっぱ同じ短距離というカテゴリですら芝とダートは別物かな。
結論から言うと取り敢えず今回調べた範囲で言えば、単勝オッズ3倍台以下ぐらいの人気があると、馬券には絡んでくる割合が増える。
7倍近辺とか10倍台とか、中途半端なオッズの場合が一番曲者な気がする。30倍以上の馬が馬券に来る事もチョイチョイあるが、それを狙うと言うのは得策とは思えない。
初ダートの馬は最下位になるケースもかなり目立ち、決して有利な存在では無いと思う。
今回話した以外にも初ダートの事例については初ダート馬は買うべきか、買わないべきか?で沢山書かれているので、良かったら読んでみて!
日付 | 場名 | R | 距離 | 馬名 | オッズ | 結果 |
20/01/18 | 京都 | 1 | 1200 | ホウオウガルーダ | 85.8倍 | 着外 |
20/01/18 | 京都 | 1 | 1200 | プリサイスショット | 40.0倍 | 3着 |
20/01/18 | 京都 | 1 | 1200 | ダイヤモンドライフ | 6.4倍 | 着外 |
20/01/18 | 京都 | 1 | 1200 | グリーシアンギフト | 371.2倍 | 着外 |
20/01/18 | 京都 | 1 | 1200 | ジューンマウス | 14.1倍 | 着外 |
20/01/18 | 京都 | 1 | 1200 | ピンシャン | 3.2倍 | 1着 |
20/01/18 | 京都 | 2 | 1800 | デルマルビー | 236.3倍 | 着外 |
20/01/18 | 京都 | 3 | 1400 | マルタクロス | 7.5倍 | 着外 |
20/01/18 | 京都 | 3 | 1400 | フォーテ | 3.5倍 | 2着 |
20/01/18 | 京都 | 3 | 1400 | コルニリア | 255.5倍 | 3着 |
20/01/18 | 中山 | 1 | 1200 | ヒガシヴァルキリー | 12.3倍 | 着外 |
20/01/18 | 中山 | 1 | 1200 | タイセイダンク | 60.5倍 | 着外 |
20/01/18 | 中山 | 1 | 1200 | シゲルセイウン | 24.0倍 | 着外 |
20/01/18 | 中山 | 2 | 1800 | コミックラン | 7.6倍 | 着外 |
20/01/18 | 中山 | 2 | 1800 | イッツオーライト | 71.6倍 | 3着 |
20/01/18 | 小倉 | 1 | 1000 | ヒノカミ | 49.8倍 | 着外 |
20/01/19 | 京都 | 1 | 1800 | ショウアン | 95.7倍 | 着外 |
20/01/19 | 京都 | 1 | 1800 | テイストオブハニー | 1.4倍 | 着外 |
20/01/19 | 京都 | 2 | 1800 | ワールドウインズ | 2.4倍 | 1着 |
20/01/19 | 京都 | 2 | 1800 | ミツルプレジデント | 108.1倍 | 競走中止 |
20/01/19 | 京都 | 2 | 1800 | クリノビックスター | 98.0倍 | 着外 |
20/01/19 | 京都 | 2 | 1800 | ウォーターモースト | 31.8倍 | 着外 |
20/01/19 | 京都 | 3 | 1400 | アールグロウ | 21.9倍 | 3着 |
20/01/19 | 京都 | 3 | 1400 | ツインシップ | 7.3倍 | 着外 |
20/01/19 | 京都 | 3 | 1400 | シゲルモクセイ | 21.3倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 1 | 1200 | プラチナスター | 76.1倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 1 | 1200 | サトノポーラスター | 17.8倍 | 1着 |
20/01/19 | 中山 | 1 | 1200 | コーリンマジェリー | 12.4倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 1 | 1200 | ゴールドオーク | 3.7倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 2 | 1800 | グラスカルメン | 141.0倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 2 | 1800 | カナタ | 9.5倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 3 | 1800 | シュラハトシップ | 98.1倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 3 | 1800 | ロジシップ | 46.5倍 | 着外 |
20/01/19 | 中山 | 3 | 1800 | ダノンファスト*1 | 1.8倍 | 1着 |
20/01/19 | 小倉 | 1 | 1700 | トモエタカ | 74.0倍 | 着外 |
20/01/19 | 小倉 | 1 | 1700 | ジェシーハート | 24.5倍 | 着外 |
20/01/19 | 小倉 | 1 | 1700 | マドルガーダ | 4.0倍 | 3着 |
*1:先行馬が少ないレースで、ダノンファストは芝の千六でも先行できるほどのスピードを持っていた。やや重の馬場で1000mが1分5秒フラットという緩い流れだったため、余裕で脚を溜める事が出来て大差の圧勝となった。
雨が降ると馬場(競走馬の走るコース)は水分を含みます。すると、芝のコースの場合は走破タイムが余分にかかるようになり、ダートコースの場合は反対に走破タイムは短くなります。さて、よく馬場状態が悪くなるとレースの結果が荒れると言われる事がありますが、実際のところはどうなんでしょうか?
実際のレース結果を元に統計を取ったところ、確かに芝のレースでは馬場が悪くなると本命が消えやすく、ダートのレースでは殆ど影響は見られませんでした。なぜ、そのような現象が起きるのでしょうか?
理由は、ダートコースを走る馬の場合、元々砂の上を走るのでスピードと力のある馬が良い成績を残します。ダートコースの場合は雨で馬場が悪化しても、本命馬にとって、いつも以上に力が必要と言う事はありません。
しかし、芝コースで馬場がぬかるんでしまうと、スピードが出せないばかりか、いつもより馬場を蹴り上げる力を要求されます。つまり、芝の場合は良馬場と不良馬場では求められる能力が違うと言う事なんですよ。(ダートと芝の違いについてはダート競馬必勝法に詳しく載ってます)
その為、芝コースの場合本命馬が消える可能性は大きくなります。しかし、馬場が悪くなると全ての本命馬が消えるわけではありません。芝コースのレースであっても、力とスピードの両方を兼ね備えた本命馬であれば影響は小さいですし、天気や馬場状態を予め考慮した上で本命馬に推されている場合もあります。
また、ダートコースの場合であっても、泥水や顔に雨が当たるのを極端に嫌う馬なんかもいるので、天気の悪い時は事前に過去のレースで敗退している時と活躍している時の天候や馬場状態の違いがどうなのか?と言うのはチェックしておいて損はありません。
競馬新聞とかの馬名の最初の所に(地)とか[地]とか書かれているのは、通称マル地・カク地と言われるマークなんだけど、このマークの意味をわかってない人結構いるみたい。
実はこれJRAの公式WEBにもちゃんと意味が書かれています。
JRA公式WEBより引用
要するに、カク地は地方競馬所属馬が地方馬としてJRAの指定競走とかに出走する時につくマーク。
もう一方のマル地は現在はJRA所属馬ではあるけれど、過去に地方競馬に所属していた馬につくマーク。
大体カク地は地方競馬でデビューした馬か、またはJRAでは勝てなくて地方競馬に下った馬が殆どなのであまり馬券にはならない。
でもマル地の方はJRAでデビューして、未勝利時代には本格化してなくて勝てないから一旦地方に下り、本格化してから通用しそうだから再度JRAに登録するパターンの馬がいる。
なので、マル地の馬が穴馬券になる事もたまにはあるんだよね。「地」ってついてたら結構みんな「弱い」っていうイメージがわくみたいで。
競馬の出戻りは復活の証!…かもしれない。
競馬の出目と死に目について話します。知らない人のために簡単に解説しておくと、死に目は全然出ていない数字を指し、逆に出目はよく出ている数字を指します。
何レースも同じ枠番や馬番の馬が続いて馬券に絡んだり…
逆に1日1回も3枠が馬券に絡まなかった…とか、なんて事がよくあります。
他にも…
「8枠が出た後はもういっぺん8枠が出やすいんじゃ!」
みたいなホントかウソかわからない予想法を提唱する人がいたりもします。
Q:やっぱり出目って気にした方が良いの?
いや、競馬の個々のレースは独立事象っつって、先のレースの結果は後のレースの結果に基本的には関係ないのよ。
2枠が出まくってても、次のレースの2枠が来る確率には何ら影響はないってのが基本。
Q:じゃあ単なるまぐれって事か
うん、大部分はね。
ただ、競馬でよく出る数字にも書いてるけど、やっぱり若干偏りはあるんだよね。ルーレットやサイコロみたいに全ての馬番が均等な確率ではないからね。
だから○枠は続くとか、○枠のあとは△枠狙い…とか、そういうのは科学的に言うと信憑性は薄い馬券術って事になるんだけど、まるっきり出目が役に立たないって事でもない。
でも、狙うなら出てない数字より、よく出てる数字を狙う方が良いよ!
Q:たくさん出た数字は、もう売り切れー…みたいな感じで出て来なくはならないの?
よく出てた数字が急に出なくなる事もあるけど、それは、よく出てたから出なくなったわけでは無いんだよねー。
よく出る数字ってのは競馬確率論にも書いてるように、よく出る理由があるからよく出てくるって考える方が自然なんだよね。有利だからこそたくさん来てるわけだからね。
結局出目と死に目というのは、言い換えれば統計なわけで、統計的にたくさん出てる方が良いのは感覚的にわかるよね
Q:統計ってのは、もっと何万レースとか膨大なデータが無くても良いの
そりゃ数が多い方がより正確な事がわかる場合もある。けど、その出目の傾向がその日の馬場状態による現象だったら、別の日のデータとごちゃ混ぜにしたんじゃ意味がないだろ?
Q:その日好調な出目は買いって事ね!
基本的にはそういう事。もちろん自分が買い始めた途端にピタッと出なくなる事もあるだろうけどねー!
銀行レースとは「堅そうだけど配当が安い」レースの事を言います。銀行は元本は安全度が高いですが、預金しても利息は少ない事になぞらえているわけですね。
1番人気の単勝オッズが1倍台前半のような1頭だけが突出しているパターンや、2強・3強でもそういう表現をされる場合がありますね。
誰が見てもガチガチの銀行レースだと、ついつい大きな金を突っ込んでみたくなります。しかし、配当の安い馬券というのは当然のことながら様々な不利があります。まず、払い戻しの大部分が「自分の金」と言うことです。
2.0倍なら半分は元々自分の懐にあった金です。1.5倍ならなんと2/3が元々自分の金です。1.1倍なら9割が自分の金です。ギャンブルって他人とのお金の奪い合いなのに、「全然他人の金を奪えてないじゃん!」って事なんですよね。
競馬は参加者同士の金の奪い合い。他人の金をいかに上手に自分のもとへ流し込むかが重要なわけです!なのに払い戻しの半分以上が自分の金ってのはあまりよろしくありませんよね。
できるだけ自分の出資は少なく、他人の金を沢山自分に流せる方法、そういう方法を実戦していかなければ、ちょっと連敗しただけで種銭が尽きてしまいます。
それに本当の銀行は滅多に破綻しませんが、わりと銀行レースは破綻が多いんですよね…